家事漫画

1ページ目。ムメンとサイがおでん屋台で食べながら話をしている。「ええっ一緒に暮らしているのかい?」「うん、なんか弟子にしてくれとか何とか言ってきてよ」「ハァ~なるほど…。しかし彼もすごいよね。登録当初から色々話題になってたよ」「あ~なんか自分で言ってたな。イケメンヒーロー四天王に入るとか、サイボーグ殿下とか」「ハハハ」「でも家事はてんでダメだったんだよな~。今はそんなことないけど」「へえ!」「会った当初なんてやばかったからな。食器洗っといてって頼んで帰ってきたら…」回想が始まる。
2ページ目。外から帰ってきて玄関に立つサイに、ジェノが土下座している。サイは「どういうこと?」と聞き、ジェノは「…台所へ…」と答える。サイが台所を覗くと、水道が壊れてシンクから水が溢れ、床が水浸しになっている。サイは腕まくりをしながら「…?!ああ~ッ!おまッ…この短時間で何があったんだよ~?!あ~っ気に入っていたヒトデ柄の茶碗が~!!」と叫ぶ。しかしすぐに、後ろでジェノが深刻な顔で沈黙していることに気付き「…あ」と心の中で呟く。二人は沈黙する。
3ページ目。サイは焦った表情を一変させ、いつもの無表情で「まあ、なんだ気にすんなよ」とジェノの肩に手をポンと置く。ジェノは「!?」と驚く。「ただ できないことは事前にちゃんと言えよ?な?」と言うサイに「ハイ!!!」とジェノが返事する。回想が終わる。「それで次の日からは何か知らないけど普通に食器洗いできるようになっててさ…」「本当かいそれ」わきあいあいと無免と会話する。一方でアパートではジェノが洗濯物を干していて、「次は掃除だな」と思っている。
4ページ目。場面はおでん屋に戻り、屋台のおじさんが「しかしお客さんもやさしいねえ!俺だったらどなり散らしてるところだよ」と話しかける。サイは「うーん 何だろ。何か あいつって許したくなるんだよなー…」と頬杖をつきながらぼやく。その様子をムメンは無言で見る。サイタマがアパートに帰る。「ただいまー。ムメンとおでん食べてきた」「おかえりなさい。ムメン?ムメンライダーのことですか?」「そうそう」サイが台所の方をみる。
5ページ目。サイがシチューの入った鍋の蓋を開ける。「あ、うまそう。食べていい?流石におでんで腹いっぱいにはならなかったし」と言うサイ。その片手に持っていたお玉をジェノが無言で取り上げ、皿にシチューを盛り、「どうぞ」と渡す。サイは少し困惑した顔で「…どーも」と言う。そしてリビングで食べようとすると、ジェノも同様にシチューを持ってくる。「あれ?お前もまだ食べてなかったのか?」「はい」
6ページ目。「洗濯も干してあるし、多分そうじもしたっぽいな。こいつキチョウメンだし、家事ができない方がおかしいんだよな…。あの時は気にならなかったけど」とサイは思い、ジェノに話しかける。「お前さ最初、家事苦手じゃなかったっけ?皿割るし服飛ばすし鍋ひっくり返すし…」「…やはり先生。俺に気をつかってあのように気にするなと言って」「ちがうちがうちがう」「だってよ。本当にただ苦手だったら一日一晩で今みたいにできたりしないだろ。でもお前、何か失敗した次の日からは完璧じゃん」「何で?あ 別に言いにくかったら言わなくていーぞ。長話はやだし」「…昔は おそらく普通の中学生よりは家事を手伝った方だと思います。だからでしょうか。過去を 思い出しそうになって…気付いたら手に力が入っていたりしたんです。しかし二度目からは意識すればいいだけなので…そういうことだと思います」
7ページ目。「一応、今のパーツは家事用にパワーを抑えたものです」ジェノが説明を終える。「お おま そんなムリしてやってたの?」とサイが恐る恐る聞く。「あ、でも、いつのまにかそういったことはなくなってて、最近は 楽しい…というか。息抜きになってもいるんです。実際 このパーツでなくとも大丈夫だと思いますし。こうやって俺の心に余裕ができたのも先生のおかげです!!!」とジェノは返す。サイは「最後そこにもってくなよ…。まあお前がそうならいいけどさ」と言いつつ、心の中で「ん?でも てことは、俺と会う前はまったく家事やってなかったってことなのか?……これ以上考えるのめんどくせー やめよ ジェスはもういいって言ってんだし…。ジェノが離さないならそれでいいんだろう…つーか俺はジェノの何なんだよ。あ!また考えてる」とぐるぐるする。「きっと恋なんじゃないかな」とナレーション。
2016

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