夜道漫画

1ページ目。「よもつざか所長をVRCまで監視…送る途中(監視という単語はバツ印で消されている)」という冒頭文とともに、夜の住宅街を歩くサテヨモの二人。「んん。」と何かに気づいて違う方向に歩き始めるヨモに、「所長さん?」と声を掛けるサテ。「そっち池しかないけど…?」と思いながら見守っていると、ヨモが池に足を付ける。
2ページ目。腰まで深さのある池の中にザブザブと入っていく。「え?!」とサテが声を上げ、「暗くてよく見えない。なんて危ないことをするんだ。連れ戻さないと。」と思い、「ヨ…」と名前を呼ぼうとすると、「捕まえたぞ!」というヨモの声が被さる。ヨモは魚のような生き物が入った水槽を手に持ち池から上がる。「これは…下等吸血鬼ですか?」と聞くサテに「ああ。」と答えるヨモ。
3ページ目。「うん、やはりそうだ!こいつは中々レアなんだ。」と嬉しそうに水槽を見やり、「もしもし。水生吸血鬼を捕獲した。水槽94号を持って迎えに来い。」と電話をかける。「あの…あんな暗い池の中からどうやって見つけたんですか?」とサテがたずねると、「仮面には暗視と吸血鬼認識機能が付いている。吸血鬼やダンピールよりは劣るが。」と教える。続けてにやりと笑いながら「なんだ?俺様が実は“そっち”とでも思ったのか。」とヨモが聞き、サテはドキッとする。直後、ヨモは膝から崩れ落ちる。
4ページ目。「所長さん!」と叫ぶサテと「今、腰にきた…。」と呟きしゃがみこむヨモ。サテは「そうですよ、体がつって溺れてたかもしれないしっ…!そんな泥だらけじゃ色々…色々危ないですよ!風邪とか感染症とか。迎えはどれくらいで着きそうですか?」と慌て、ヨモは「XX分くらい。」と返す。サテは「うちの家、結構近いんでそこで着替えましょう!」と言いながらヨモを横抱きする。しばらくして、サテの部屋着を着てサテに腰を支えられているヨモを、VRCの車でお迎えに来た職員が目にし、「え…?何…?」と思いつつサテから水槽を受け取る。その後、「スキャンダルされた。」というナレーションとともに、「VRC所長が吸血鬼以外に夢中?!」の見出しと横抱きの写真のある記事を広げ、「所長さんに迷惑が…あああ…」と青ざめるサテ。
5ページ目。後日、サテが「日が出たらパトロール終わろう。」と考えながら同じ夜道を一人で歩いていると、ヨモが座り込んで池に何かを沈めており、「ええええまたいる!!」とサテが叫ぶ。「しょ所長さん。」と声を掛けてサテが近寄ると、「奇遇だな。今日は捕獲じゃない、水質等調べてるだけだ。」と作業する手をそのままに返事をするヨモ。「はぃ…」とサテは答えつつも、「でもちょっと心配だからしばらく見ていよう。」と思う。
6ページ目。サテがヨモの作業を見守りながら、会話をし始める。「…なんか、俺、研究所とかの上の人ってあまり外に出ないイメージがあったというか、所長さんって結構自分で色んな事なさってますよね。」「半分趣味みたいなものだからな。所員は自分の仕事がある。付き合わないことの方が多い。」「じゃあ、これって仕事外みたいな感じなんですか?すごいなあ…。……退治人も趣味みたいな部分が結構あって、俺も武器とか服とか色々模索したりするんですけど、凝ったところ中々、人に気付いてもらえなくて。」
7ページ目。サテは「いや俺が地味なのが悪いんですけど。」と言いながら、「あー何言ってんだろう自分。」と思いつつも、話を続ける。「な、なので所長さんはやっぱりすごいです。きっとこういったことが色んな成果に結びついているんですよね。」ヨモは「確かに俺様は大天才だが、どれだけ調べ尽くしても上手くいかないのは日常茶飯事だ。この前捕まえた奴も使えるか分からない。」と返し、腕時計を確認し、「だが俺様に挫けていられる時間はない。」と続ける。
8ページ目。ヨモは「そろそろ明るくなるな。さてつ君はいつまでそこで突っ立っているつもりだ?」と言いながら立ち上がる。サテは「あっ…!すみません邪魔しちゃって…!」と焦るが、ヨモが「邪魔ついでにこの荷物をVRCまで運べ。その腕は飾りじゃないんだろう。」と言う。サテは「は、はい!これは俺が持ってる中でも腕の負担を軽減してくれるやつで、手の関節も多いので細かいものも持てるんです。」と嬉しそうに説明し、「はあ。何種類かあるのか?吸血鬼によって使い分けてるのか?」とヨモが質問する。「…!!そ、そうなんです、話すと長くなっちゃうんですけど…!!」「じゃあ歩きながら聞く。」と二人が夜道を再び歩く。
20/8/30,11/21(5p~)

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