想定漫画

1ページ目。夫婦とみられるモブ男性とモブ女性が家で犬を構いながら会話をしている。「…さん家の息子さんって知ってるか?」「えっと…お医者さんのとこの?」「そうそう。」「時々、犬の散歩してるのを見るけど。」「なんかなあ。この前、会社から帰る時、変な動物捕まえてるのを見たんだよ。深夜にさ。多分あれは下等吸血鬼だな。」その回想として、草むらの中にしゃがんで作業をしている過去ヨモの姿。「ええ?退治人みたいなことしてるってこと?」
2ページ目。「ん~…。どうだろうなあ。危ないから注意すればよかったよ。」「あれ…そういえば、最近は散歩してても全然すれ違わなくなった気がする、その子と。大丈夫かなあ。」場面が変わり、例の草むらで座り込んでいるヨモに「大丈夫?」と手を差し伸べるモブ吸血鬼。ヨモの頬に切り傷がある。「ちょっと引っかかれてるね。仮性吸血鬼化するかもしれないから家で安静にして。抑えてもらえる人がいないなら病院で保護…。」と続けるモブ吸血鬼を無視して立ち上がるヨモ。
3ページ目。ヨモは「そんな事は分かっている。オレ様に何の用だ。これは貴様のペットだったか?」と言いながら、コウモリのような小さい吸血鬼を入れた檻の籠を掲げる。モブ吸血鬼は「いや、その子は知らない。ただの下等吸血鬼。私の使い魔はもっと賢くて可愛いよ。」と、鳩のような使い魔を腕に乗せる。「オレ様からすれば変わらない。」と返すヨモ。モブ吸血鬼も「退治人目指してるなら誰かと一緒にやる方がいいよ。」とまた返す。
4ページ目。ヨモは「違う。あいつらのように叩き潰して終わりじゃない。研究のために捕まえている。」と言う。「へえ~!吸血鬼の研究なんて珍しい!吸血鬼が好きなの?」と笑顔で反応するモブ吸血鬼に、一瞬黙るヨモ。「君もなりたいの?」とモブ吸血鬼は続ける。ヨモは「安直な思考だな。」と返す。
5ページ目。モブ吸血鬼はヨモの切り傷に指を当て、血をぬぐう。そして指についた血を舐め、「うん…。君は“だめ”だね。素質がない。」と言う。続けて「ここ近所だからさ、君が怪我とかしちゃうと私が疑われたりするかもしれないんだよね。」と言う。ヨモは「そういうのは吸対の仕事だ。オレ様のせいじゃない。」と返す。モブ吸血鬼は「近隣住民として心配してるだけなんだけどな。まあ、血を舐めた時点で通報ものだし説得力ないか。」と言いながら、体を無数の鳩に変身させ始める。
6ページ目。鳩に分かれたモブ吸血鬼は飛び立っていった。残されたヨモは「素質がない。」という言葉を反芻し「…なりたくない。」と呟き、考える。「使い魔。」「なっていたのがオレ様の方だったら。そうしたらお前は。」
7ページ目。時代が現在に戻る。「さてつ君は吸血鬼の素質がある。」とヨモが呟く。ヨモは部屋の一室で、胡坐をかいたサテの上に乗っかって座っている。サテはその呟きを聞き、「へ?」と反応する。ヨモは「以前、俺様の薬剤で暴走した時があっただろう。あれから少し実験を続けたが…。薬剤で変化が起きやすい者ほど吸血鬼化しやすいことが分かった。」と説明する。「え、それって人間で…?実際に?」と困惑するサテ。「吸血鬼の中には素質を見分けられる奴がいる。そいつに協力させた。」とヨモが返す。
8ページ目。サテは「そうなんですね。でも…俺は吸血鬼になりたいとは思ったことないです。」と言う。「そうか。さてつ君が吸血鬼になったら色々実験させてくれそうだと思ったんだがな。」と返すヨモにサテは一瞬考え、「俺はよもつざかさんに合わせたいです。」と微笑みながら言う。
9ページ目。ヨモは黙り、ヨモを支えるサテの手ごとフラスコを抱きしめる。サテは「というより、コロ君次第…なのかな。」と心の中で思う。
10ページ目。場面が変わり、「ある夜、吸血鬼犬化以下略。」というナレーションとともに、ロナが気絶した吸血鬼の胸ぐらを掴んで捕まえている。周りには犬が駆け回っている。「本体が意識失っても能力解けない系か。」とロナは呟き、マリアが「VRC来たぞ。」と伝える。VRCの車から出てきたヨモに「拘束…。」とロナが言いかけるも、ヨモは無視して通り過ぎ、檻の中に保護されている犬達を見つめる。
11ページ目。その檻の中に、犬化したサテがいる。目をぐるぐるさせて見つめるヨモをロナは怪しみながら、カズラに吸血鬼を渡す。カズラは「術にかかった皆さんも保護させてもらいますのでよろしく。」と言い受け取る。
12ページ目。VRCの所内で、ヨモが犬化サテの保定をしている。サテはぶるぶる震えながら、ヨモの顔を舐める。ヨモが「……。一生このままでいい…。」と呟くと同時に、サテの腕に注射するカズラ。
13ページ目。バキゴキャと音を立てながらサテが人間の姿に戻る。サテは全裸で我に返り、保定の姿勢のままのヨモに向かって「あああああ?!」と赤面して叫ぶ。そして「あ…えっと…。お、お手数おかけしました…?」と言う。
14ページ目。ヨモは俯き、「くっくくく…。あっはっはっは!」と笑う。そして「犬の方になるとは考えてなかった。心の準備ができてなかった。」と少し笑みを浮かべながら言う。サテも微笑み、フラスコを抱えるヨモの手に自分の手を重ねながら、「何が起こるか分からないですねぇ。」と返す。
20/11/9

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